株式会社内部監査

少額短期保険会社のリスクと内部監査

Ⅰ 財務局検査指摘事項に基づく重要リスク

 1.経営管理態勢

(1)取締役会の開催、監査役監査態勢、保険計理人業務の確認・経営判断、算出方法書に基づく適正な保険料の検証態勢、SMマージン比率の検証態勢

(2)事業計画の策定・実施、人的構成要件の確保、顧客管理に係るガバナンス、リスク管理態勢(流動性リスク管理、保険引受リスク管理)等

2.顧客保護等管理態勢

・保険金等支払管理態勢(支払査定、長期未払い、解約返戻金)、顧客管理システム、重複契約管理、苦情等処理態勢(原因・傾向分析、経営への反映)、外部委託先管理態勢(再委託関係、委託内容の検証態勢)、顧客情報管理態勢等

3.保険募集管理態勢

・代理店管理態勢、適正募集を確保するための検証態勢、適正な情報提供と意向把握、適正な保険引受、高齢者募集管理等

4.法令等遵守態勢

・取引時確認態勢、反社チェックの確実な実施、暴排条項の導入、業務委託先への反社チェック体制等

 

Ⅱ 過去の不祥事検討からの重要リスク

1.独占禁止法対応体制
2.大手代理店対応(支払査定権限の過度な付与、保険金支払管理)
3.危機管理態勢とBCP
4.財務報告の適正性
5.人事管理体制(セクハラ、パワハラ等)

 Ⅲ 少額短期保険協会自主点検リストに基づく検証

・自主点検結果とその証跡の妥当性、個別項目の対応状況のリスク認識の適切性確認等

Ⅳ 内部監査による確認・検証と「透明性」、「自浄作用」の自己証明を

 上記各リスクカテゴリーの中から、特に自社にとって重要性の高いリスクについて、年間3-4回の個別監査に分けて確認し、自社の経営管理(ガバナンス)の適切性を確認します。その結果を内部監査報告書等の保管により、ステークホルダーに対しての「経営管理の透明性」と「自社の自浄作用」の自己証明として活用していきます。